骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨が弱くなり骨折を起こしやすくなる病気のことです。
骨粗鬆症になると、少し転んだだけで骨折を起こしてしまい入院や手術が必要になることがあります。
骨粗鬆症が進んでしまうと、治療を開始してもなかなか骨が強くなってくれないことも多く、早期からの診断と予防や治療が重要です。
『骨粗鬆症』名前の由来
「鬆(しょう)」とは松の葉の重なりから向こうが透けて見えるさまのことです。骨が薄くなり透けたようになることから、骨粗鬆症と呼ばれます。
骨粗鬆症は誰がなるの?
特に女性に多い病気ですが、
男性でもなります。
女性では年齢と閉経が骨粗鬆に大きく関係していて、50代の女性では10人に1人が、60代の女性では3人に1人が、70歳以上の女性では2人に1人が骨粗鬆症になっていると言われています。
最近では、新型コロナウィルス感染により、外出や運動の機会が減ったため、子供でもビタミンDの不足によって脆弱性骨折を起こすことが報告されているため、大人の女性では特に注意が必要です。
骨粗鬆症と骨の強さ
大腿骨近位部(股関節)
骨は固い皮質骨と皮質骨を内側から支える骨(骨梁)で体重を支えています。
皮質骨や骨梁が薄く脆くなると骨粗鬆症になります。腰や股関節の骨が脆くなると、軽微な転倒などで骨折を起こし、寝たきりの原因となります。
骨粗鬆症の検査は?
骨粗鬆症は、骨密度を測ることで診断を行います。骨密度が、若い成人と比べて著しく落ちている場合は、骨粗鬆症と診断します。
当院ではDEXA(デキサ)と呼ばれる画像検査を用いて、体を支えるのに最も重要な腰椎と大腿骨の骨密度を検査します。
DEXAは精度に優れているため、少しだけ時間がかかりますが(約30分)、その日のうちに検査結果がわかるため、すぐに診断と治療の開始が可能です。
代表的な治療薬
ビスホスホネート製剤
骨が弱くなるのを抑える効果があります。
最も一般的な治療薬で、月に一度の注射薬や、毎日飲む内服薬や週一回または月一回内服する内服薬があります。内服薬は胃腸の障害が出ることがあるため、飲み方に注意が必要です。
活性型ビタミンD製剤
毎日一錠ずつ内服します。
カルシウムを体に蓄えるのに重要な成分で、骨を作る手助けだけでなく、筋肉の働きも助けてくれます。
SERM
(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
閉経後の骨粗鬆症の治療薬です。
毎日一錠ずつ内服します。
PTH(副甲状腺ホルモン)製剤
骨を強くする作用があります。
骨密度を上げてくれる作用が強いですが、毎日または週に1~2度の注射を1~2年継続する必要があります。
デモソズマブ(抗RANCL抗体)
半年に一度の注射製剤です。
ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)
月に一度の注射製剤です。